読むことは、読まれること

ラクトバジルスカゼイシロタ株を摂取したい。
安斎さんは、安西さんじゃない。間違えた。
男は夢をみる。
むくりと起きた後、目覚まし時計のアラームを止め、再びばたりとベッドに横になったかと思うと瞬時に夢をみる。
中学生が歩いている。登校中だ。ほかの生徒もいる。
友人が前を歩いている。頭の形でそれがわかる。人間はこんなにもたくさんいるのに、なぜか頭の形だけでそれがわかる。
友人はなぜか体操服を着ている。上下紺色でサイドに赤いラインが入っている体操服だ。
胸のところにゼッケンがついていて、友人の苗字がマッキーで書かれている。明朝体を意識して書かれているが、いかんせんマッキーなのでその文字は若干くずれている。
声をかける。何と言ったかはわからない。
わたしは汗をかく。急いで来た道を引き返す。部屋に入る。たんすを開ける。ない。体操服はない。ここにあるはずなのに。
そうか、母が洗濯しているのだ。そう思う。
目を覚ます。時計を見る。
遅刻は免れない。いや、そうでもない。
あと5分で部屋を出れば間に合うはずだ。そうに違いないと思い込む。
我々は思い込むことで生きていける。
なぜ我々は戦わねばならないのか。
わたしたちは彼らを敵だと思い込んでいるから、だ。